QRコードを読みこむことに抵抗がなくなった
お客様のスマホにQRコードを読ませてリンク先に誘導する。
ということはもう当たり前になりました。
一昔前はQRコードの意味を解らない方が慣れないスマホで四苦八苦していました。当時はQRコードを読みこませるアプリをインストールしていただくのにも四苦八苦でした。「QRコードの読み込み方」という勉強会で集客できたくらいですから。
でも、それから数年しかたっていないのに、今ではだれでも当たり前のようにスマホをかざしてQRコードが読み取れるようになりました。iPhoneでは、純正のカメラアプリでQRコードにかざせば読み取ってくれるようになったので読み取り用のアプリのインストールすらいらなくなりました。
QRコードのリンク先はスマホ対応していますか?
最近、QRコードで読み取ったはいいけれども、スマホで見づらくてしかたがないものにであってしまいました。
ページがスマホ対応していないというのはもはや論外です。文字が小さい、リンクボタンが小さくて触れない、画面を拡大したら文字が見切れて画面を動かしているうちにどこを読んでいるのかわからなくなったり、画面が元の大きさに戻ってしまったり、目的を果たすまでに心が折れそうになるページが表示されるのです。
スマホ対応というのは、サイトのレスポンシブ対応に対応しなさい。というのもありますが、くせ者が「PDF」です。たぶん、サイトを自分で思うように触れない方が情報を別のソフトで作成してPDF化し見る人に情報を届けたいという思いがあるからでしょう。ところが、作成するときはたぶんA4サイズを意識して作っているので、A4に見栄え良く配置されたものがスマホ表示になった時に、先ほど同様、文字が小さくて内容が読めないのです。
見たい知りたい情報だからQRコードで読み取ったのに、その情報がきれいに見えないのは「不快」でしかなくお店の不親切さを感じてしまいます。
これは、お店側にとってよくないことなのはわかりますよね?
「伝えたい情報だから」にとらわれて、ホスピタリティが欠落している
先日訪れたホテルではテーブルにQRコードが表示されたおしゃれな置物が設置されていました。
「DRINK」「フード」「アルコール」のように3種類のQRコードがありました。
私は、ケーキと珈琲がほしかったのですが、フードのQRコードを読み取ってケーキを探し、珈琲は?と思うと別のQRコードを読みこまないといけないことに気が付き、またQRコードを読み珈琲を探し、そして、先ほどのケーキの名前を忘れたのでまたフードを読み込んで…そして、ホール係を呼んで口で注文しました。
もうひとつ付け加えるのなら、3つのQRコードの距離が近すぎて読み取りづらい。
そして、読み取った先が先ほどのA4用紙サイズで作られたPDF。
そのままではメニューに何が書いてあるのかも見えず、大きくすれば全体が見えないのでケーキから珈琲に移るのにどこかに書いてあるんじゃないかとフードのメニューを何度もあちこち見るとか。
パソコンなら問題なかったでしょうが、そもそもQRコードはスマホのためにあるものでは?
ということは、QRコードの先もスマホで見やすい形にしていないのは思いやりに欠けるのでは?
と思ってしまうのです。
PDFとは、パソコンの機種に左右されることなく文字化けやレイアウト崩れを起こすことなく閲覧したり、印刷したりするために開発されたものです。
スマホで情報を見やすく見てもらうためには、レスポンシブ対応のサイトのページに直接情報を載せる方がどれだけ見やすいか。
たぶん、このホテルでいえば、メニューをレスポンシブ対応でサイトにデザインしてもらうより、A4で作ったメニューをアップしておいてくださいとサイト管理会社にお願いするほうが安くあがるのでしょうね。
でも、そこに予算をかけないばかりに、例えばスタッフが説明に時間をとられたり、クレーム対応しなければいけなくなったのでは、どっちが費用対効果が得られたのでしょうか?
また、業者がPDFでは、メニューを気持ちよく見て気持ち良く注文できる目的を達成するためにどうすればよいのかが提案できなかったのだとしたらこれまたどうよ。と思います。
コロナ禍で、QRコードでメニュー表示なら消毒の手間も省けるしと考えたのでしょうが、やるならもっと、もう一歩考えてほしかった。このホテルのネームバリューならなおさら。
メニューというお店が一番伝えたい情報を見やすい状況においてないのは、ホテル側の事情は想像できるけれども、お客様のメリットが見えてこない。伝えたい情報がわざわざ伝わりにくくしてどうすんの?ということです。
どんな事情でそうしたのかは私の想像ですが、感染拡大予防を意識するなら、その画面で注文ボタンが押せるくらいにしておけよ…とも思いますし。
お客様の気持ちになって何事も準備すること
スマホ世代はこれからどんどん幅が広がっていきます。数年前ならある一定の年齢以上はスマホを使えない前提で考えればよかったかもしれません。そういう年齢層がくればその方たちだけに別の方法を用意しておけばよかったでしょう。
でも、この先スマホを使っている人も年をとっていきますからということはスマホで何かできることがあれば前は除外していた年齢層も対象になってくるということです。
はっきり申し上げておきましょう「シニア層」もやれることがこれからどんどん変化していきます。
いつまでもシニア層はデジタルデバイド層ではない。
ただ、未来永劫たぶんシニア層と言えば変わらないのは「視力の衰え」「理解度の衰え」です。
そこに配慮し「みやすく」「わかりやすく」する工夫は、特にシニア層がターゲットでなくてもホスピタリティ(思いやり)があるということになるのではないでしょうか?
そして、シニア層にとっては、印刷物であるよりももしかしたらスマホで見る方が文字が読みやすいかもしれません。レスポンシブ対応さえしておいてくれれば、画面を横にスライドすることなく縦スライドだけで見ることができれば。
フォント、フォントサイズ、コントラストに配慮し、レスポンシブ対応にすること。
お客様の目線になってみること。想像力がないのなら周りのいろいろな層の人たちに使ってみて感想をもらうこと。
良かれと思ってやっていることが、ひとりよがりになっていないか?
これは、ビジネスにとっていつも気を付けないといけないことだと思っています。
そして、ターゲット層を細かく分類して細かくイメージしていくことが、ホスピタリティのあるサービスの提供に結びつき、この積み重ねが多くの人に喜ばれるビジネスとなるのだと思います。